反撃!!ケダモノ男子校



 県立木崎高校に突然転校してきた二人の女子高生、

宮藤深衣奈(みやふじみいな)と小野寺樺恋(おのでらかれん)


彼女達二人ともが幼馴染であり、同じ一年生の男子生徒、

神城麻郁(かみしろまいく)の家に、居候をしながら学校へ通っていた。

二人が入学してから約3ヶ月、今ではクラスメイトや町の人達とも打ち解け、

すっかり顔なじみとなり、家主の麻郁に気を使う二人はアルバイトまで始めていた。

二人は、ある家庭の事情でこの町に引っ越して来ており、今に至るのだが、

あまり余裕は無いものの、お互い助け合いながら、充実した毎日を送っていた。


だがその日、この二人の今後の運命を、大きく変えてしまう事件に遭遇する事となる…。


ある夏の日の夕方、二人はバイトを終え、商店街から家に帰宅する途中の事だった。


深衣奈「さ〜てと…今日の夕ご飯、何にしよっか樺恋?」

樺恋「そうですねぇ…最近暑いから、そう麺ばかりだし、
   たまにはスタミナの付く様な物がいいかも知れませんね…」


深衣奈「うふふ、樺〜恋ったら…
    そ〜ねぇ、それなら麻郁も喜ぶかもねぇw」

樺恋「ちょ…!!み、深衣奈さぁん!!」

深衣奈「ごめんごめんwじゃあ、今日はカレーにでもする?」

樺恋「もぉ〜、深衣奈さんったら…」


いつもどうり二人仲良く談笑しながら歩いている深衣奈と樺恋だったが、

夕暮れ時、人気の少ない町外れのその場所で、普段とは異なる状況に出くわす。



不良男A「テメェ、いつになったらカネ持って来んだコラァッ!?」


木崎高生徒「そっ…そんな…スグには無理ですよ。
      先月2万円渡したじゃないですかっ!!」


不良男B「あぁん!?んな小銭で、オレらが持つと思ってんのかぁっ!?
     いいから早く出せよっ!!
     ワザワザ、オレ達をこんな田舎臭ぇとこに来させやがってよーっ!?」

不良男C「無きゃあ無いでよー、いくらでも方法あんだろ?
     テメーんとこのババアの店のレジからパクるか、
     サイフから直接抜きゃいいじゃねえか?ちっとは頭使えよっ!!」


木崎高生徒「そっ!!それだけはカンベンしてくださいっ!!
      今、母ちゃん入院してて弟の面倒も見なきゃなん…!!」


ドゴッ!!

木崎高生徒「ウグッ!!……ゲホッ!!ゲホッ!!」


深衣奈達と同じ木崎高の生徒が、別の高校の生徒に腹を殴られて倒れる。


不良男D「それがイヤなら今みてえに、テメェんトコのガッコのヤツらシメちまえよ?
     オマエらんトコにゃあ大して強えヤツァいねーだろw?なぁ!?」



その一部始終を見ていた深衣奈と樺恋。

彼らは、隣町にある男子高の生徒で、そのガラの悪さはその付近では有名だった。

深衣奈「タダのケンカじゃなさそうね…」

樺恋「うん…それにあの制服、わたし達の学校の…早く誰かに知らせないと!!」


深衣奈「ちょっと待って…いい考えがあるわ…。
    樺恋はこの携帯で電話して。繋がったらこう言うのよ…」


樺恋「…えっ!?…うっ、うん…わかった!!」



深衣奈は樺恋に携帯電話を渡すと、彼らの前にいきなり飛び出した。


深衣奈「アンタ達最低ね!!でっかいずう体して四人がかりで恐喝なんて!!」


不良男A「あぁ?…なんだテメぇは!?」

不良男B「おっ!!この女、コイツんトコのじゃねぇか!?」

不良男C「へへへっ、一年かぁっ?なかなかイイ女じゃねぇかよ」

不良男D「ちょうどいいぜ!!金もねぇし、コイツ連れてこーぜ!!」



深衣奈「ちょっ!!放してっ!!ひっぱらなでよっ!!」



正義感の強い深衣奈は、年上の不良生徒達に対し、果敢に食って掛かるが、

女の力では、当然この男達に敵うはずもなく、しばらく逃げ回ってはいたが、

最後には四人掛かりで追い詰められてしまい、あっさりと捕らえられてしまった。


が、その時だった!!


樺恋「この人達ですっ!!この人達が犯人ですっ!!」


彼らの周りを、突然大勢の警官隊が取り囲む。


しかし、何故か学生のケンカに対しては、いささか大げさな人数である。

だが、それもそのはずで、深衣奈は、樺恋に指名手配中の強盗犯がこの場所にいると、ウソの通報をさせており、

そのため、警官たちの到着も普段より早く、その規模も明らかに大げさな物になっていたのだ。

しかも、深衣奈はワザと着衣を乱し、まるで今まで不良達に強姦でもされていたかのような素振りまで見せる。


警官「おまえらっ!!全員動くなっ!!」

不良学生達「こ!!…このアマぁっ!!ハメやがったなコラァッ!!
      覚えとけよクソがぁっ!!」


不良達は深衣奈達に罵詈雑言を浴びせながらも、次々に手錠を架けられ、パトカーの中に押し込まれていった。